外壁塗装は30坪の家で60万円〜90万円の費用が相場となっており、100万円以上のまとまった金額が必要になることも珍しくありません。経済的な負担を抑えるため、銀行でローンを組んで外壁塗装を依頼するケースも多く、お金がなくても外壁工事を依頼できる選択肢が増えています。
住宅ローンなどを返済中の方は、追加でローンを組むことに抵抗を感じることもあるかもしれませんが、資金が貯まるまでの間に外壁が劣化し、大規模な張り替え工事が必要になってしまえば、長期的なメンテナンスコストが増加してしまうこともあります。
そこで今回の記事では、外壁塗装でローンを組むメリット・デメリットと、利用できるローンの種類・選び方について解説します。ローンを組む以外に外壁塗装費用の負担を抑える方法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

外壁塗装でローンを組むメリット
外壁塗装の支払いでローンを組むメリットには、以下の3つが挙げられます。
- まとまった資金がなくても施工を依頼できる
- 早期の塗り替えで長期的な費用を抑えられる
- ライフイベントのための資金を残しておける
それぞれのメリットを踏まえながら、ローンを利用するか、クレジットカードや現金での一括払いを選ぶかを検討してみましょう。
まとまった資金がなくても施工を依頼できる
外壁塗装でローンを利用することにより、手元にまとまった資金がなくても施工を依頼できるメリットがあります。外壁塗装は、外壁のひび割れや塗装のはがれに気づいたときに検討することも多く、急な出費となるケースも多いです。大きな買い物をした直後など、貯蓄に余裕がないタイミングでも外壁塗装を行う選択肢として、ローンを組むことは非常におすすめです。
早期の塗り替えで長期的な費用を抑えられる
外壁塗装は先延ばしにすればするほど、長期的にみた時のメンテナンスコストが膨らむ傾向にあります。前回の塗料の寿命を迎え、外壁を守る役目を果たせなくなってしまえば、外壁の素材そのものが傷む原因になるからです。外壁材を補修・交換する大規模な工事になると、一回あたりの工事費用が増加し、経済的な負担が重くなります。適切な周期で外壁の再塗装を行い、外壁材の劣化を防いで長期的な費用を抑えられることが、ローンを利用する大きなメリットです。
ライフイベントのための資金を残しておける
水回りのリフォームや介護リフォーム、あるいは子どもの進学などの大きなライフイベントに備えた資金を残しておき、貯蓄の減少を最小限に抑えられることもメリットに挙げられます。ギリギリの貯蓄で外壁塗装費用を支払って、経済的な余裕がなくなってしまえば、いざという時の備えがなくなり大きなストレスに直面してしまいます。たとえ現金で一括払いできる資金があったとしても、今後のライフイベントを見据えて外壁塗装のローンを利用することも一つの選択肢です。

外壁塗装でローンを組むデメリット・注意点
一方で、外壁塗装の支払いでローンを利用する時のデメリット・注意点としては、以下の3つが挙げられます。
- 金利により支払い総額が増加する
- 審査結果によってはローンが利用できないことも
- 返済計画を慎重に立てる必要がある
これらのデメリットも理解した上で、ローンを利用するかどうかを検討しましょう。
金利により支払い総額が増加する
外壁塗装に限らずローンを利用する際には金利が発生するため、現金で一括払いした場合よりも支払い総額が増加することに注意が必要です。仮に金利3%・5年の返済期間で100万円のローンを組んだ場合、返済総額は約108万円になります。同じ条件で10年返済のローンを組むと、返済総額は約116万円となる計算です。借入先によってローンの金利が異なるほか、返済期間によっても支払い総額は変動するため、返済シミュレーションを行いつつ最適なローン商品を選ぶことが大切です。
審査結果によってはローンが利用できないことも
外壁塗装のローンは、申請すれば必ず利用できるわけではなく、金融機関での審査に通過する必要があります。ローンの審査では、住宅ローンやマイカーローン、カードローンなどの他社で利用しているローン総額がチェックされるほか、ご自身や配偶者の方の年齢・年収も審査の対象となります。審査に落ちてしまった場合、別の金融機関で改めてローンを申し込む手間が発生することがデメリットに挙げられます。
返済計画を慎重に立てる必要がある
外壁塗装でローンを利用した場合、金利を考慮した支払い総額と、毎月の返済額のバランスを考えながら、慎重に返済計画を立てる必要もあります。支払い総額を抑えるためには返済期間を短くするのが有効ですが、返済期間が短いと月々の返済額が高額となり、家計の負担となることも考えられます。長期のローンを組む場合には、今後生活スタイルが変化しても無理なく返済できるか、慎重にシミュレーションしながら返済計画を立てましょう。

外壁塗装で利用できるローンの種類と選び方
外壁塗装に利用できるローンには、主に以下の種類があります。
リフォームローン
| 特徴 |
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住宅のリフォーム専用ローン。 無担保型と有担保型がある。 |
| おすすめな人 |
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無担保型 ・少額の借り入れを希望する人 ・審査を早く済ませたい人 有担保型 ・高額の借り入れを希望する人 ・金利を抑えたい人 |
| メリット |
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無担保型 ・手続きが簡単 ・審査が早い 有担保型 ・金利が低い ・高額借入に対応可能 |
| デメリット |
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無担保型 ・金利が高め 有担保型 ・審査に時間がかかる ・担保設定の手間や費用がかかる |
住宅ローン借り換え
| 特徴 |
| 既存の住宅ローンにリフォーム費用を上乗せして借り換える。 |
| メリット |
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・金利が低い ・返済期間を長く設定できる場合がある |
| デメリット |
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・審査が厳しい ・諸費用がかかる |
| おすすめな人 |
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・住宅ローンの残高が多い人 ・金利を下げたい人 |
フリーローン
| 特徴 |
| 用途が自由なローン。外壁塗装にも利用可能。 |
| メリット |
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・用途が自由 ・手続きが比較的簡単 |
| デメリット |
| ・金利が高め |
| おすすめな人 |
|
・少額の借り入れを希望する人 ・他のローンが利用できない人 |
地方自治体のリフォームローン
| 特徴 |
| 地方自治体が提供するリフォームローン。 |
| メリット |
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・金利が低い場合がある ・補助金制度と併用できる場合がある |
| デメリット |
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・利用条件が厳しい ・対象となる工事が限定される場合がある |
| おすすめな人 |
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・対象となる地域に居住している人 ・利用条件を満たしている人 |
クレジットカードのリフォームローン
| 特徴 |
| クレジットカード会社が提供するリフォームローン。 |
| メリット |
| ・ポイントが貯まる場合がある |
| デメリット |
| ・金利が高め |
| おすすめな人 |
|
・ポイントを貯めたい人 ・少額の借り入れを希望する人 |
ローンを選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。
- 金利:固定金利型か変動金利型か、金利水準を比較
- 手数料:事務手数料、保証料、繰り上げ返済手数料などを比較
- 借入限度額:必要な金額を借りられるか
- 返済期間:無理のない返済計画を立てられる期間か
- 審査の通りやすさ:ご自身の状況に合ったローンを選ぶ
- 住宅ローン減税の対象:対象となる工事や条件を確認
ローンの選び方としては、まずご自身の状況を把握することが重要です。借入希望額、返済能力、金利の希望などを明確にし、複数の金融機関で比較検討しましょう。金利だけでなく、手数料や保証料なども含めた総支払額で比較することが大切です。
また、住宅ローン減税の対象となるかも確認しましょう。リフォームローン減税は、一定の条件を満たすリフォーム工事を行った場合に、所得税が還付される制度です。対象となる工事や条件を確認し、忘れずに申請しましょう。

【状況別】外壁塗装ローンの利用がおすすめの人
外壁塗装ローンの利用は、すべての人におすすめできるわけではありません。以下に、どのような状況の方がローンを利用すべきか、具体的なケースをご紹介します。
外壁塗装ローンを利用したほうがよいケース
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まとまった資金がないが、早期に塗装工事が必要な場合
住宅の劣化が進んでいる場合、早期に塗装工事を行う必要があります。ローンを利用すれば、自己資金がなくてもすぐに工事に着手できます。 -
予算内で高品質な塗料を使用したい場合
耐久性の高い塗料は高価ですが、長期的に見るとメンテナンスコストを削減できます。ローンを利用すれば、予算内でより高品質な塗料を選ぶことができます。 -
住宅ローン減税の対象となる工事を行いたい場合
一定の条件を満たすリフォーム工事は住宅ローン減税の対象になります。ローンを利用すれば、税制上の優遇措置を受けることができます。 -
他のローンと比較して金利が低い場合
外壁塗装ローンの金利が低い場合は、総支払額を抑えることができます。複数の金融機関で比較して最も有利な条件を選びましょう。 -
計画的な返済が可能である場合
毎月の返済額を把握し、無理のない返済計画を立てられる場合はローンを利用しても家計への負担を抑えることができます。
外壁塗装ローンの利用を慎重に検討すべきケース
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自己資金で十分な工事費用を賄える場合
自己資金で工事費用を支払える場合は、金利負担を避けることができます。 -
返済能力に不安がある場合
毎月の返済が家計の負担になる場合は、ローンの利用を控えるべきです。 -
他のローンの返済が滞っている場合
他のローンの返済が滞っている場合は、審査に通らない可能性があります。
外壁の塗り替え時期かも...
外壁塗装ローン返済比較シミュレーション【借入年数・借入先別】
外壁塗装ローンの返済額は、借入金額、金利、返済期間によって大きく異なります。以下に、具体的なシミュレーション例をご紹介します。
【シミュレーション条件】
- 借入金額:100万円
- 金利:2.0% (A銀行), 3.0% (B銀行), 4.0% (C銀行)
- 返済方法:元利均等返済
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A銀行(2.0%)
返済期間 毎月返済額 総返済額 5年(60ヶ月) 17,527円 1,051,620円 10年(120ヶ月) 9,200円 1,104,000円 -
B銀行(3.0%)
返済期間 毎月返済額 総返済額 5年(60ヶ月) 17,969円 1,078,140円 10年(120ヶ月) 9,656円 1,158,720円 -
C銀行(4.0%)
返済期間 毎月返済額 総返済額 5年(60ヶ月) 18,417円 1,105,020円 10年(120ヶ月) 10,124円 1,214,880円 - 複数の金融機関で金利を比較する
- 返済期間を変えてシミュレーションする
- 繰り上げ返済の効果を考慮する
- 手数料や保証料を含めて計算する
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 収入証明書(源泉徴収票など)
- 見積書
- 物件に関する書類
- 正確な情報を申告する
- 必要書類を事前に準備する
- 複数の金融機関に相談する
- 契約内容をしっかり確認する
- 住宅ローン減税を利用する
- 補助金・助成金を申請する
- 火災保険を活用する
上記のシミュレーションからわかるように、金利が高いほど、返済期間が長いほど、総返済額は増加します。ご自身の返済能力に合わせて、最適な返済期間を選ぶことが重要です。
また、繰り上げ返済を利用することで、総返済額を減らすことができます。繰り上げ返済には手数料がかかる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
以下の点に注意してシミュレーションを行いましょう。
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外壁塗装でローンを申請する際の流れ
外壁塗装ローンを申請する際の流れは、金融機関によって多少異なりますが、一般的には以下のようになります。
外壁塗装ローンの申し込み手順
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STEP1 見積もり取得 複数の業者から見積もりを取り、工事内容と費用を確定させます。 |
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STEP2 金融機関の選定 金利や手数料、審査の通りやすさなどを比較し、最適な金融機関を選びます。 |
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STEP3 事前審査 年収・勤務先・借入希望額などの簡単な情報を入力し、借入が可能か確認します。 |
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STEP4 正式審査 事前審査に通過した後、必要書類を提出します。 |
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STEP5 審査結果の通知 金融機関から審査結果が通知され、通過すれば契約手続きへ進みます。 |
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STEP6 契約手続き 金融機関とローン契約を結びます。契約内容は必ず確認しましょう。 |
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STEP7 融資実行 契約後に融資が実行され、通常は業者へ直接支払われます。 |
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STEP8 返済開始 融資実行後、毎月の返済が開始されます。 |
ローン申請の際には、以下の点に注意しましょう。
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外壁塗装でローンを組む以外に費用負担を抑える方法・制度
外壁塗装にかかる費用を抑えるためにローンを組むことも有効な選択肢ですが、それ以外にも費用負担を抑えるための方法・制度があります。
ここでは上記3つの方法について、利用方法や申請方法をご紹介します。
住宅ローン減税を利用する
住宅ローン減税は、新築住宅を購入する時に使える制度というイメージがありますが、実は自宅の外壁塗装のリフォームローンも対象に含まれます。住宅ローン減税を利用することで、年末時点でのローン残高の0.7%が所得税から控除され、納めた税金が戻ってくるので、外壁塗装費用の負担軽減につながります。
ただし外壁塗装で住宅ローン減税を受ける場合、住宅ローン減税の「増改築等」に当てはまることが条件です。具体的には、工事費用が100万円以上であること、工事面積が50平米を超えること、ローンの返済期間が10年以上であることなどが挙げられます。
住宅ローン減税を使うためには、税務署や金融機関、塗装業者と連携しながらの手続きが必要となるため、事前に関係各所へ相談しておくと安心です。
参考:No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁
補助金・助成金を申請する
お住まいの自治体で外壁塗装が対象となる補助金・助成金を用意している場合、工事着工前に申請しておくことにより、外壁塗装の費用負担を軽減できます。自治体の補助金・助成金では、断熱・遮熱塗料を用いた省エネリフォームが対象となりやすいほか、一般的な住宅リフォームの補助金でも対象となることがあります。
自治体が実施する補助金・助成金には予算や申請期限が設けられており、早めに制度を調べて手続きに進むことが大切です。なお、工事完了後に補助金・助成金を申し込むことはできず、必ず工事着工前に問い合わせる必要がある点にご注意ください。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説
火災保険を活用する
加入している火災保険で、風雪や落雷といった自然災害による住宅の劣化が補償される場合、外壁塗装費用にも保険金が下りるケースがあります。外壁の経年劣化や自己都合による外壁塗装は対象にはなりませんが、自然災害によって傷んだ住宅を補修する時には、火災以外であっても保険が適用される場合があります。
自宅の外壁塗装が保険適用になるかどうかは、お手元の保険証券、または保険会社で確認してみると良いでしょう。

関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ
まとめ
外壁塗装でローンを組むことにより、まとまった資金がなくても施工を依頼できるので、長期的なメンテナンスコストを抑えられるメリットがあります。資金を別のライフイベントのために残しておくことも可能なので、現金一括払いができる余裕があったとしてもローンを組むメリットは大きいです。
ただし金利が上乗せとなって支払い総額が高額になるほか、返済期間・月々の返済額をシミュレーションしながら、慎重に返済計画を立てる必要があります。また、住宅ローン減税や補助金・助成金を活用することにより、さらに外壁塗装の費用負担を抑えることができるので、積極的に活用してみてください。










